特集 検証 2022年度診療報酬改定
総論
財政当局の立場から振り返る2022年度診療報酬改定
一松 旬
1
1財務省主計局主計官兼主計局総務課
キーワード:
薬価改定財源
,
リフィル処方箋
,
大臣合意
,
財政制度等審議会
,
エビデンス・ベース
Keyword:
薬価改定財源
,
リフィル処方箋
,
大臣合意
,
財政制度等審議会
,
エビデンス・ベース
pp.1038-1041
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211816
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診療報酬改定においては,まず改定前年の年末に全体のマクロの改定率が決定される.そして,この改定率によって規定される財源の範囲に収まるよう年度末までに各診療行為のミクロの点数と算定要件の改定がなされる.
財政当局から見れば,後者の個別の改定項目は,前者のマクロの改定率の構成要素そのものであり,前者の妥当性を裏付ける「積上げ」に他ならない.マクロの改定率は,医療費の伸び,保険料などの国民負担,物価・賃金の動向,医療機関の収入や経営状況,保険財政や国の財政に係る状況を踏まえ,年末に先んじて決められることは確かである.しかし,だからといって,個別の改定項目について方向性すら示すことなく中央社会保険医療協議会(中医協)における議論にただ委ねるわけにはいかない.
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