特集 検証 2022年度診療報酬改定
改訂のトピックス
—【2022年度改定におけるオンライン診療:地域密着型病院の視点から】—通院困難な高齢者にオンライン診療は有用
織田 正道
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1社会医療法人祐愛会織田病院
キーワード:
オンライン診療
,
かかりつけ医機能
,
地域密着型病院
,
高齢者
,
新型コロナウイルス感染症
Keyword:
オンライン診療
,
かかりつけ医機能
,
地域密着型病院
,
高齢者
,
新型コロナウイルス感染症
pp.1052-1054
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211819
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■はじめに
2022年度より外来機能報告制度が始まり,病院においては入院だけではなく外来においても機能の分化と連携が推進される.これは大きく「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」と,「かかりつけ医機能を担う医療機関」に分けることができる.前者は紹介患者への外来を基本とする医療機関であり,新たに定められた紹介受診重点医療機関はじめ,特定機能病院や地域医療支援病院である.一方後者は,地域包括ケアシステムを支える「かかりつけ医機能」を有する病院(以下,地域密着型病院)で200床以下のケアミックスや,在宅療養支援病院などがこれに属する.
さて今後,後期高齢者の中でも85歳以上人口が急増する時代にあって,かかりつけ医機能を担う外来医療は,自力で通院困難な高齢者の増加により在宅医療,さらにはオンライン診療に置き換わる可能性が高い.
2022年度の診療報酬改定では,オンライン診療は初診の取り扱いなど,これまでの新型コロナウイルス感染症(以下,新型コロナ)に対する時限的・特例的な位置付けから,恒久的に認めることになった.また,実施割合や距離的要件が撤廃され,在宅医療においても訪問診療とオンライン診療の組み合わせが円滑に行えるようになった.これらの要件緩和により,地域密着型病院においては,オンライン診療への取り組みが今後さらに加速するものと思われる.
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