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■タスク・シフト/シェアに至った経緯と展開
厚生労働省(厚労省)においては,医療の急速な進展に伴い,それぞれ高い専門性をもつ医療従事者が協働し,患者中心の医療を実践するチーム医療を推進しており「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」(平成19年12月28日付医政発第1228001号/医政局長通知)で良質な医療を継続的に提供していくため,医療機関の実情に応じて,関係職種間で適切に役割分担を図り,効率的な業務運営を行うことが重要として,医師でなくても対応可能な業務等について整理した.また,「チーム医療推進に関する検討会」の報告(平成22年3月19日)を踏まえ,「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進」(平成22年4月30日付医政発0430第1号/医政局長通知),その後,「チーム医療推進会議」などで検討が進められ,2014(平成26)年6月18日「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」が可決成立した.その中では,検体採取などに関する臨床検査技師の業務拡大が認められた.
一方,2016(平成28)年10月からは「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」を設け,望ましい医療従事者の新しい働き方などについて検討を進め,これまでのチーム医療を発展させる形で有効活用をとの観点から具体的なアクションプランの一つにタスク・シフティング/タスク・シェアリングの推進が挙げられた.2017(平成29)年8月から「医師の働き方改革に関する検討会」が始まり,22回にわたる議論を経て,2018(平成30)年3月28日に検討会報告書1)がとりまとめられた.その報告書では医師の働き方改革を進める中で,さらなるタスク・シフティング(業務の移管)の推進は重要であり,制度的対応も含め検討していくべきであると指摘され,厚労省は関係する30の医療関連団体等を対象に「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフティングに関するヒアリング」を実施した.このヒアリングには日本臨床衛生検査技師会も参加し,会員施設実態調査の結果などを基本にタスク・シフト/シェアにつながる業務として43業務を提案した.
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