FOCUS
タスク・シフト/シェアと救急医療における臨床検査技師の役割
岩嶋 誠
1
1亀田総合病院臨床検査部
pp.134-137
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208900
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はじめに
医療が高度化・複雑化するなか,患者へのきめ細やかな対応や書類作成などの事務的な業務も含め,医師の業務が増加の一途をたどっていると指摘されている.そのため,医師の時間外労働の上限規制が適用される2024年度に向けて,厚生労働省で「医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会」が開催された.各医療関連職種よりヒアリングで提案された約300項目の業務において,現行制度下で実施可能な業務,法令改正を行いタスク・シフト/シェアを推進する業務に仕分けが行われ,臨床検査技師については現行制度下で実施可能な業務として14業務(表1)1),法令改正を行いタスク・シフト/シェアを推進する業務として9業務が選定された(表2)2).
亀田総合病院(以下,当院)臨床検査部では2010年より臨床検査技師の新たな活躍の場として,救命救急センターで臨床検査の専門領域にこだわらないチーム医療活動を行っており,いち早く救急医療の現場にタスク・シフト/シェアを取り入れ業務を行っている.
本稿では救急医療で求められる臨床検査技師の役割(当院における臨床検査業務およびそれ以外の介助業務内容,必要な知識や技術)と法令改正によりタスク・シフト/シェアで臨床検査技師に認められた“静脈路の確保”について紹介する.
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