特集 病院医療に専門医制度は貢献するか
医師の働き方改革は専門医制度に影響するか
赤星 昂己
1
1東京女子医科大学東医療センター救命救急センター
pp.124-129
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210897
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●現状では,それぞれの診療科に強い魅力ややりがいを感じることで勤務時間が長くとも頑張れる医師がいる一方,日本の医療体制の維持は医師の「やりがい」や「責任感」,「エンゲージメント」によって行われる時間外労働に依存しているマイナスの側面もある.
●ワークライフ・バランスを重視する医師は確実に増えている.しかし,両立しやすい診療科は現状では限られる.新専門医制度が現状のまま進めば,望まない診療科に進むことを余儀なくされる事態が生じうる.各診療科が長時間勤務をこなして体制を維持することはより困難となる.
●働き方改革の関心の高まりにより各診療科が勤務体制改善に積極的に取り組むと,ワークライフ・バランスを重視する医師も希望の診療科に進むことができ,新専門医制度は理想の働き方で専門医資格を持つことを可能にする.それが診療科偏在をはじめとした日本の医療体制の危機を救うのではないか.
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