特集 平成の病院医療から次の時代へ
—尾形論文へのコメント—高齢化への対応—工夫を重ねる医療介護制度
江利川 毅
1
1公益財団法人医療科学研究所
pp.25
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210871
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平成年間は,経済や政治も含め,時代の大きな曲がり角だったと言えるのかもしれない.経済の低迷から脱却できない中で,社会保障制度は,人口構造の急速な高齢化,深刻化する少子化を踏まえつつ,改革を続けてきている.
この平成年間における医療制度改革の流れを,尾形論文(p.21〜24)は3つの時期に分けて整理しているが,非常に分かりやすく,多くの関係者が賛同すると思われる.経済成長による社会の負担力の増加があまり見込めない中で,高齢化の進展による医療費の増加に,まずは医療保険制度の手直しで対応し,次に介護保険制度や高齢者医療制度の創設によって対応し,さらには社会保障と税の一体改革といういわば総動員体制で対応してきた.私も健保改正や介護保険法成立に関わってきたが,振り返ればこう整理できるのかなと思う.
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