グラフ
「市立・赤十字 」病院への期待―指定管理者制度による公設民営病院に生まれ変わって 横浜市立みなと赤十字病院
pp.689-694
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100070
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官から民へ――国の制度改革や自治体の財政悪化を背景に,自治体病院でも民営化を含めた経営改革が進められている.
横浜市の病院経営改革
港湾病院(現みなと赤十字病院),市民病院,脳血管医療センターという三つの市立病院を擁する横浜市においても,病院に一般会計から多額の繰入を行っていた(平成13年度の運営に係る一般会計繰入51億9,300万円,経常損失42億1,700万円).そのうち港湾病院分は繰入8億8,600万円,経常損失8億7,200万円だが,平成6年に再整備構想に着手し,平成12年より建設工事を進めており,再整備後の繰入金は年額35億~40億円,経常損失は38億~41億円に膨れ上がると推計されていた.
このような状況下,平成14年4月に就任した中田宏市長が改革の旗を掲げた.諮問機関「市立病院あり方検討委員会」での検討等を踏まえ,本年4月より市の病院事業に地方公営企業法を全部適用し,病院事業管理者に人事・予算執行を含めた権限を与え,経営責任を明確にした(同時に,「衛生局」から病院事業を所管する部門を「病院経営局」として分離独立させ,局および病院幹部職員で構成する「病院経営局戦略会議」を設置して,情報を共有化し,一体となって経営改革を進める体制を整えた).
さらに港湾病院に関しては,再整備後の公設民営化を決定.平成15年9月の地方自治法改正で新設された「指定管理者制度」を導入し,本年4月の新病院開院となった.市と日赤・みなと赤十字病院との間では,定期的な連絡調整会議等を設け,また,当病院に市から一人派遣し,連携をとりながら新病院運営を進めている.
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