発行日 1949年8月1日
Published Date 1949/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210157
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医療法が吾國医療制度のあり方の基準を示すものとして新しく施行されて以来,漸く準備期間を過ぎて実施の時期に入つて來た。今後の医療制度は如何にあるべきかという課題に対しては,同法の精神を正しく理解して,実情に即して充分な檢討が加えられ,最も適切な運営をはかることが解決の根本であると考えられる。同法には病院を医療の中心として大きく採りあげ,その責務や,設備,人員等についての必要な規格が定められている。完全な医療は病院において行われるべきであつて,病院と診療所の性格がはっきり分けられ,診療所に対しては患者收容についての48時間の制限を設けている。これは今までの吾國の医療制度に対して,正に劃期的な新方向を示すものであつて,その切り換えに対しては周到な計画が樹てられ最も適節な措置が講じられなければならない。考えられることは医療機關の整備,すなわち病院の適正な配置と必要な病床の充実が第一であり,診療報酬の再檢討も必要であらう。更に一般開業医に対しては,そのあり方を正しく指導する必要があり,特に病院との結びつきについては一層の考慮がはらわれるべきである。
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