連載 事例から探る地域医療再生のカギ・1【新連載】
沖縄県立6病院の医療再生
伊関 友伸
1
1城西大学経営学部マネジメント総合学科
pp.70-75
発行日 2015年1月1日
Published Date 2015/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209776
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連載を始めるにあたって
2004年の新医師臨床研修制度の導入以降,地方の地理的条件の悪い中小病院を中心に医師不足が深刻化し「医療崩壊」と報道された.社会問題となった医師不足問題は一段落したようにも見えるが,医師の都市への偏在・診療科の偏在の問題は解決されていない.第一次ベビーブーム世代(いわゆる「団塊の世代」)が後期高齢者となる2025年に向けて医療需要が増大することが予想され,医療資源の不足が社会問題となる可能性が高い.
2014年6月,国会で医療・介護総合推進法が成立した.地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保を目指すため,同年10月からは医療機関が都道府県知事に病床の医療機能等を報告する制度も稼働し始めた.都道府県は,それをもとに地域医療構想(ビジョン)を策定することを求められている.病院の機能再編が積極的に推進される中で,いかに地域に医療を残していくか,自院が生き残っていくか,医療関係者にとって正念場を迎えている.
本連載は,全国の地域医療再生や経営変革に成功した病院の事例を紹介することにより,変化の時代に地域や病院にとって何が必要となるのかについて探ることを目的とする.わが国の地域医療再生に少しでも貢献できるような連載を目指したい.
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