特集 病院事務長の人材養成
事務長の生涯教育
益田 啓作
1
Keisaku MASUDA
1
1横浜赤十字病院事務部
pp.224-226
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209250
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「事務長の生涯教育など夢である」
医師・看護婦の生涯教育
日本医師会は昭和61年,医師の生涯教育制度を発足させた.各医師会は生涯教育制度委員会を設けること,そして毎年の学習時間等をこの委員会に各自が自己申告することを骨子として出発し,当面の学習時間は年間50時間以上を目標とした.昭和61年6月から11月に至る6か月の試行結果は,全国の診療所医師の申告率70.3%,平均学習時間102.2時間であったという.昭和63年度には病院勤務医のための生涯教育のガイドラインが作成されることになっている.学習すべき課題を医学的課題と医療的課題とに分け,医療的課題のひとつとして,病人および家族の人間理解と支援を強化するための課題,例えばカウンセリング,心理学,宗教,哲学,死生観,その他人類文化のすべてを挙げている.プライドの高い自由人の医師には抵抗があるに違いない.それにしても,日本の医師の歴史の中では画期的なことであろう.
看護制度検討会は昭和60年3月から2年1か月かけて報告書をまとめたが,生涯教育の体系化として,「各都道府県に看護職者の卒業後の継続した教育を行うための施設(専門団体を含む)等を設け,看護職者の継続した教育を行うための体系化を確立するとともに,各医療施設等においても,就業看護職者が働きながら継続的に学習していくことのできる体制を確立し,看護職者の生涯教育のより一層の充実強化を図る必要がある」とある.
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