厚生行政フォーラム
「長期入院の是正」のために求められるものは何か?
二木 立
1
Ryu NIKI
1
1日本福祉大学
pp.852-853
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209158
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長期入院の是正自体は必要だが●
厚生行政研究会の最近の3論文「長期入院と在宅医療」(本誌6月号),「病院の機能評価と入退院マニュアル」(7月号),「基準看護制度の見直し」(8月号)に共通するテーマは「長期入院の是正」であり,当然のことながら6月に発表された厚生省「国民医療総合対策本部中間報告」と一致している.しかも,3論文では「中間報告」が抽象的にしか触れていないことを具体的に述べており,その限りでは参考になる.
まず,厚生行政研究会に誤解しないでほしいのだが,評者も,わが国の病院が「高度の医療を受けるための施設」になるためには,平均在院日数の短縮=不必要な「長期入院の是正」が必要であると考えている.現に評者が関係していた都心の一般病院では医療技術の高度化と病棟医療管理の近代化,後方病院の開拓と連携,在宅医療(往診・訪問看護)の強化等により,平均在院日数を20日強にまで短縮したし,そのノウハウは拙著『医療経済学』(医学書院・第6章)で詳しく紹介している.
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