特集 「医師生涯教育」の場としての病院
地域医師会の「医師生涯教育プラン」と病院への働きかけ
柄沢 英作
1,2
,
田橋 賢士
3,4
,
宮本 正司
5,6
Eisaku KARASAWA
1,2
,
Yoshihito TAHASHI
3,4
,
Masashi MIYAMOTO
5,6
1群馬県沼田利根医師会
2柄沢医院
3吹田市医師会
4田橋小児科医院
5宇治久世地区医師会生涯教育委員会
6外科胃腸科宮本医院
pp.743-746
発行日 1987年9月1日
Published Date 1987/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209134
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へき地医師会としての病院への働きかけ—沼田利根医師会
沼田利根医師会の現況
沼田利根地区は関東平野の北西にあり,面積は四国の香川県とほぼ同じ,人口は沼田市を含めて1市2町6か村合せて10万2千人といういわゆる過疎地である.診療に従事する医師数116(保健所届出数),医師会員数80(A会員53,B会員27),病院7,診療所53,病院のベッド数1,140で,いわゆるベッド過剰地区でもある.谷川岳,尾瀬沼,水上温泉を含む観光地が多数存在する地域であるが,医療機関は沼田市に集中し,村部では1村当たり1〜2か所というところが多い.
地区医師会の抱える悩みはここにある.すなわち,医療機関が偏在するため,学術講演会を含めたあらゆる医師会の催しごとに車で1時間以上もかかるところから,沼田市まで集まってくれるかどうかということである.私ども医師を含めて,一般に地方では33(さんさん)医師会という言葉が通用している.つまり,医師会員の集まり(総会,講演会,各種の)懇親会等)への出席がほとんど3分の1,時々出席が3分の1,全く無関心が3分の1であり,前述のごとくA会員(開業医)が53人であるため,生涯教育の一環としての学術講演会を設営しても,出席者はせいぜい20人あればよいほうである.したがって,講師の先生方に生涯教育担当理事が出席者数について前もって説明しておかないと礼を失する場合もある.
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