特集 AIDS不安—病院側の対応を考える
AIDSの基本的知識—研究と対策の現状
北村 敬
1
Takashi KITAMURA
1
1国立予防衛生研究所・腸内ウイルス部
pp.640-644
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209111
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AIDSの出現とその特徴
1981年,ニューヨーク,サンフランシスコ,ロスアンゼルスの男性同性愛者集団に新しい疾患が報告された.後天性免疫不全症候群(AIDS)は極めて高い致命率を有する重症の免疫抑制状態で,ヘルパーT細胞の著明な障害を主徴とし,1ないし2年以内に日和見感染または癌で死亡するに到る.
症例が,1970年代より革命的に変わったと言われる快楽主義的傾向の強い,乱交傾向の男性ホモに集中していたので,米国では,男性ホモ社会に対する強い反発を招いた.また,男性ホモの献血で他の人々にもこの致死的疾患が伝えられていることが明らかになるとともに,脅威は一段とエスカレートした.
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