今月の主題 注目のウイルス・リケッチア感染症
技術解説
AIDS患者の診断・検査法と安全対策
北村 敬
1
Takashi KITAMURA
1
1国立予防衛生研究所腸内ウイルス部
pp.707-713
発行日 1987年7月15日
Published Date 1987/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913359
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
AIDSは,HIVによる細胞性免疫不全のうえに,種々の日和見感染または二次的腫瘍が重複したものであるから,症状はむしろこのような二次的疾患によるものが主になる.したがって,男性同性愛者,スクリーニング導入前の輸血および血液製剤受容者,HIV感染多発地(欧米,中・東部アフリカ)での不特定多数の異性間接触,などのリスク要因を勘案して,自覚症状とは関係なく,HIV感染のウイルス学的診断,検査の適応が決められる.臨床的症状とは関係なく,HIV感染者は,生涯ウイルスキャリアとなり,感染源となりうるので,ハイリスクグループの者の検査は定期的に行われるべきである.
HIVを含む検査材料の取り扱いは,P 2レベル実験室の安全キャビネット内で,HIVの増殖,精製,濃縮を伴う操作は,P3レベルの封じ込め実験室内で行う.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.