特集 AIDS不安—病院側の対応を考える
AIDS行政—日本の対策
長屋 祥子
1
Shoko NAGAYA
1
1厚生省保健医療局感染症対策室
pp.671-673
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209117
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世界の問題—AIDS
1981年に米国から初めて報告されたAIDSは,その後世界中から次々と患者の発見が続き,1987年7月現在では世界各国から53,000人(以上)のAIDS患者がWHOに報告されている(表1).しかし,各国のAIDS対策の取り組みかたやサーベイランス体制の整備状況の違いを考えると,この報告数は全体のごく一部であって,実際には世界のAIDS患者は100,000名以上存在し,更にAIDSの原因ウイルスであるHIVに感染している者は5,000,000人から10,000,000人にのぼるものと考えられている.
WHOでは,定期的に世界各国から患者の発生報告を受け,その集計を発表しているが,その報告国と報告患者数は回を追って増え続けている.そのため,WHOではAIDS特別計画(SPA; Special Program on AIDS)を発足させ,AIDSへの対応を緊急課題として取り上げている.
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