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第16回日本病院設備学会会長 東海大学教授・町立浜岡病院院長 正津 晃氏
前田 マスヨ
1
1東海大学医学部付属病院看護部
pp.632
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209109
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正津晃先生は,昭和27年母校の慶応大学医学部の外科に入局,心臓血管外科を専攻され,穏やかな中に科学者の見識に立った緻密な洞察力を発揮してこられた.その能力を請われ,東海大学医学部付属病院づくりの際,副院長としての大役に当たられ,惜しみなく手腕をふるってこられた.今日の発展を物語る源流である.しかし,息つく間もなく,飛躍する東海大学に思いを寄せ,協力を求める静岡県町立浜岡病院の初代院長としての力量を発揮されることになり1年がたった.創設期における院長としての手腕をふるわれる一方で,先生の教授としての講義も学生間では名声高く,去る謝恩会の席上で学生の人気投票第1位."講義内容が分かりやすく,教材・資料共に大変有効であった,依って云々"と,学生から表彰状の贈呈があった.
今日の医療は,各専門領域の参加が増大し総合の成果が求められる.総合とは,領域内容の集計ではない.各分野が深く掘り下げられ,溶け合って後に独自の性格を持った成果を得ることである.東海大学病院の歴史の中で,健康な看護集団が今日あるのは,総合看護と新しい看護管理に対する正津先生の深い理解と励ましがあったからである.更にそれは長い時間と質に裏打ちされている.古い台詞であるが"士は己を知る者のために死ぬ"とある.
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