人
第34回日本病院学会会長 高知県立中央病院院長 近藤慶二氏
岡島 邦雄
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1大阪医科大学一般・消化器外科
pp.108
発行日 1984年2月1日
Published Date 1984/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208230
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昭和23年,岡山医科大学(現岡山大学医学部)を卒業された近藤先生はインターンの後,岡山大学第一外科の陣内傳之助先生の門下に入りました.岡大における臨床,研究生活の後,昭和33年高知県立中央病院に赴任され,外科部長,副院長を経て昭和54年院長に就任されたのでありますが,この間,日本胃集団検診学会,日本癌治療学会,日本臨床外科医学会,日本外科学会などの評議員として学会活動をされるかたわら,高知医科大学講師として医学教育にも携わっておられます.また,高知県医師会理事,全国自治体病院協議会常任理事,日本病院会常任理事として医療行政の分野にまで八面六臂の働きをされている姿は敬服のほかはありません.
近藤先生は昔から,一面ではもの静かな方でしたが,他面では意志の強い人でもあります.その表れが高知県立中央病院に赴任され,実地臨床に当たられながら日常直面する胃癌の予後向上には早期発見が第一であるとのお考えから,その第一歩として胃の集団検診の体制作りに手をつけられ,現在では広く普及された状態にまでもってゆかれたことであります.胃集検の啓蒙に対する先生の情熱はもの静かなご性格のなかに秘められたものであるだけに一層我々に強く感じられます.更にこれらの成果は学会及び論文に発表され,その数は枚挙にいとまがないほどであり,そのご努力には全く感服する次第であります.
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