特集 看護のトップマネージメント
これからの看護のトップマネージメント—病院管理の立場から
石原 信吾
1
Shingo ISHIHARA
1
1日本病院管理研究協会
pp.382-385
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208824
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トップマネージメントという言葉は,通常,最高経営層について言われるが,更に,そこで決定された経営の基本方針を全体組織を通じて執行する全体管理層を含める場合もある.他方,この言葉は,そこでの最高責任者としての人を指すほか,その組織あるいは機能を指すなどいろいろに使われる.本稿では,今回の特集の趣旨に沿い,主として,「看護部門をマネージメントする組織の責任者」ということで問題を考察することにする.とすれば,結局,総婦長あるいは看護部長と呼ばれる人(以下後者に呼称を統一する)のあり方,任務,働きといったことについて,今後どうあるべきかを考えてみればよいことになろう.
ただし,トップマネージメントの問題は,もともと,組織を前提とする問題であるから,単に看護部門内部のマネージメントにとどまらず,病院という経営体の全体組織との関連でも検討する必要があることは言うまでもない.そうなると,看護部門あるいは看護部長の全体組織上の位置あるいは任務といった問題についても当然考えてみなければならない.しかし,現在わが国の病院では,この点について事柄は必ずしも明確ではなく,今後の問題としては,ここにも大きな課題があることを忘れてはならない.そこで,まずこの問題から考察に入ることにする.
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