時評
政府の審議会などの意義を問う
姉崎 正平
Masahira ANESAKI
pp.75
発行日 1986年1月1日
Published Date 1986/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208756
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時評欄を本号より担当することになった.しかし,執筆時と掲載時が2か月ほどずれるので,最近のようにかなりめまぐるしく政府が医療政策を打ち出し,それに対してマスコミの報道や論評が多くなってくると,時評が時期遅れになったり,気が抜けてしまうのではないかと心配である.
1980年代に入り,政府の医療費抑制策が相次いで打ち出された.周知のごとく,抑制策としては,診療報酬の引上げ規制,薬価の引下げ,一部負担の新規導入や引上げ,医療費審査の強化などであったが,それらに加え医療法改正,医学・歯学生定員削減,国立病院療養所の統廃合,中間施設制度導入など政府による医療提供制度の合理化や監視の強化がもくろまれている.これらは臨調行革路線の一環であることはいうまでもない.そして,最近,健康や医療に対する関心が広く喚起されたことの反映であり,同時にその関心を喚起している大衆向け保健雑誌,医療関係者向けの医療雑誌,新聞や雑誌での保健・医療記事の増加が目立つ.
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