時評
「家庭医制度」は良医づくりのテコとなるか
塙 正男
Masao HANAWA
pp.780
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208676
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6月5日付の朝日新聞の社説「身近に頼れる家庭医を」を読む.厚生省健康政策局長の諮問機関「家庭医に関する懇談会」が4日に初会合を開いたのに合わせて書かれたものらしい.さっと読むと,すばらしい家庭医の理想が書いてある.「人間的にも質の高い頼れる家庭医像をきちんと描き出すこと」で,そのような家庭医が大勢育つと,「誤診や乱診,乱療や無駄な重複医療が減り,健康教育,健康管理の成果で病気が減り,結果として医療費上昇の歯どめがかかる.—そのような正攻法の家庭医づくりを望みたい.」のだそうだ.
果たしてそうであろうか.こういった理想を持つことは確かに美しい.また,それに近づく努力もスバラシイと思うが,家庭医を制度化しようとしている厚生省の意図は何か.「朝日」も言うように,例によって,医療費の削減である.
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