時評
看護問題はマジメに考えたい
塙 正男
Masao HANAWA
pp.616
発行日 1985年7月1日
Published Date 1985/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208634
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5月21日の新聞を見ると,看護婦さんは全国的に厳しい勤務状況を強いられているようだ.毎日新聞は「夜勤9回以上57%」というのが見出しだ.朝日新聞は,大きく「看護婦は疲れている」とし,「夜勤57%が9回以上」,「異常出産が60%超す常夜勤」と,サブタイトルはかなりセンセーショナルである.医労協調査の発表で統計的扱い方の問題はあろうが,とにかく大変な勤務であることは確かである.何とかしなければならない問題だ.
毎日,朝日両紙とも同日の社説で期せずして看護婦の問題を取り上げている.毎日は「患者の心をみとる看護を」というタイトルであるが,ちょうど本年の5月15日日本看護協会が100周年記念式典をやったそうである.免許取得者—正看30万8千人,准看29万2千人で,昭和60年末には66万人を確保するという国の看護婦需要計画も本年度末にはほぼ達成できる見通しとなった,とある.医療と対等な看護の力を強調し,患者の心を察するカンゴの必要を強調している.マア,これに反対するわけではないが,何か変だ.需給計画が達成されて喜ばしいとあるのに,同じ日の紙面に報告されている苛酷な勤務.
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