定点観測
—秋田県・象潟町から—往診は重要な活動の一つ
宮原 伸二
1
Shinji MIYAHARA
1
1象潟町上郷診療所
pp.608-609
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208358
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ほんとうの人間らしさ
最近,都市部では,往診をしない医者が増えているという.病院網が充実し,救急体制も整っているので往診の必要性がないのかもしれない.それと,オフィス医者が多くなったのも一因であろう.農村部では,往診はまだまだ重要な診療活動として位置づけられているところが多い.それは,病院までの距離が遠く,救急体制が不完全なことが大きな要因ではあるが,家庭での治療を希望する住民の強い意思もあるからである.
私の診療所での年間往診数は,昭和58年度で,1,054件である.月平均88件,診療日数からみると1日約4件になる.往診がない日もあるし,時には1日15件というような日もある.それでも6〜7年前に比較すれば大幅に減っている.それは家庭での応急処置法,寝たきり病人の看護法などの学習会の成果の現れであろう.また,農村部における女性ドライバーの増加により,いかなる時間帯でも通院が楽になったことも,もう一つの大きな理由と思われる.
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