中小規模病院の運営
民間病院オープン化の可能性
弓倉 藤楠
1
Tōnan YUMIKURA
1
1開放型病院研究所
pp.265-268
発行日 1984年3月1日
Published Date 1984/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208269
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■オープンシステム病院とは
オープンシステム病院,開放型病院という用語は最近かなり頻繁に使われるようになったが,そもそもどのようなイメージをもって使われているのであろうか.もちろん「オープンシステム」という言葉は日本製米語であるし,本場のアメリカでは通用しない.「開放型」ともなれば,日本語でありながら,我が国では分かる人はもっと少ない.先日ホテルで「オープン病院セミナー」を開放型病院研究所主催で開いたら,ホテルマンから「開放型病院というのは部落開放のための病院ですか」という質問をされた.
原則的な定義を述べれば,病院側が特殊の専門医以外の医師を雇用せず,地域の開業医が病院と契約し,開業医が自分の入院させた患者の主治医となる病院のことである.主治医のいない病院などあるのか,という疑問が起こるが,アメリカの地域病院はすべてこの方式である.アメリカの地域病院は理事会Governing Body,病院管理部Hospital Administration,医師団Medical Staffの三者構成で,医師団は開業医であり病院と契約している.もちろん病院には院内医師House Staffと呼ばれるレジデントや,放射線医,臨床病理医その他の専門医はいるけれども,主治医はあくまで院外の開業医である.アメリカでは歴史的な病院の成り立ちが,このような制度を作り上げてきた.
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