定点観測
—東京・三宅島から—離島の医者は「なんでも屋」—新しい理念の教育病院を
箕輪 良行
1
Yoshiyuki MINOWA
1
1三宅村阿古診療所
pp.810
発行日 1983年9月1日
Published Date 1983/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208120
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卒業したての若い医者が離島へやってきた.いざ現地へ来てみると大変である.なにしろ島という所は足がない.幸いこの島は東京からヘリコプターの届く距離にある.ヘリを使う医療というのはめったに経験できないし迫力がある.ヘリにはずいぶん助けられている.
しかしひとたび大事が起こると当面はなんとも仕方がない.やれることをやるだけである.輸血の用意がないから,人を集めて生血を使う.不全流産で出血しているのでAusをした.鼓膜がぎんぎんに張って耳痛が激しいので鼓膜切開した.手術適応のない脳出血症例に,在宅のまま家族に看病させて,挿管し輸液して,留置カテーテルをおいて導尿した.尿道閉塞で仕方なく膀胱穿刺をやった.
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