グラフ
地域とのつながりの中から新しい医療・福祉を目指す—医療法人健康会京都南病院
pp.749-754
発行日 1983年9月1日
Published Date 1983/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208105
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在宅ケアに取り組む病院として逸早く脚光を浴びた堀川病院に比べ,同じ京都にありながら京都南病院は地味な印象を受けるが,京都では北の堀川,南の南病院というほど,地域の信頼を得て,活発な医療活動を展開している.南病院は,昭和28年「医療にかかれない人に医療を」をスローガンに,下京区・南区の地域の人々や労働組合などの募金をもとに「京都平和病院」として設立され,その後,幾多の変遷を経て,現在256床,法人内に圧か所の診療所を持つ総合病院に成長した.
ところで,当院の位置する下京区周辺が京都の下町とも言われ,市内でも生活困窮者や老人の比率が著しく高い(15%)という地域特性を踏まえ,かつ病院建設の精神に則り,当院は次のような活動を行っている.①勤労者のための夜間外来(週4回,7〜21時),②往診(24時間緊急往診体制)・訪問看護,③救急医療,④日雇労働者のための早朝診療,⑤患者組織「南健康会」を通しての健康手帳の発行,健康管理⑥夜間12時間人工透析,⑦地域・職域の健康管理等.更に病院として技術レベルの向上も不断にこころがけており,①機械器具の整備,②「京都南病院医学雑誌」「病院報」の発行や図書室の充実などによる研修・研究への環境作り等にも余念がない.
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