特集 病院の「若返り」策—特に医師をめぐって
医師集団の停滞化と他施設との人事交流
金子 嗣郎
1
1都立松沢病院
pp.948-949
発行日 1982年11月1日
Published Date 1982/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207875
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人事の停滞はただ公立病院におけるだけではなく,すべての官庁,会社などでも事情は同じである.定年制の問題,あるいは中高年層の処遇の問題,特に"窓際族"などの言葉にも表されるように社会問題化し,これがモラールの問題とも結びつき,いかに対応するかが大問題となっている.
筆者の勤める都立松沢病院においても,この問題は避けて通れない.明治20年から昭和24年まで,松沢病院長は東大教授が兼務することになっていた.東大精神科医局と松沢病院医局は一体のものであり,精神医学者,精神科医の不足のため,呉秀三院長から内村祐之院長,更に林暲院長の時代まで,多くの先輩は大学教授あるいは官公私立病院長として迎えられていた.病院内において医師の「若返り」を考える必要もなく,いわば自然の流れに任せておいても,それぞれ業績を上げ松沢から巣立って行ったのである.
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