随想=私の出会った患者
麻疹ワクチン今昔
須藤 俊亮
1
1金山町立病院
pp.799
発行日 1982年9月1日
Published Date 1982/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207836
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大学卒業後20年になり,勤務先も大学と2か所の病院にわたり,この間いろいろな患者さんに出会った.勤務後10余年になる現在の病院,すなわち人口8千余の一地方病院の小児科医という現在の立場からみると,心に残った患者さんや出来事と言えば,医師ならだれしもが同じかもしれないが,かなりの重症でも助かった例,あるいは不幸な結果に終わった例がまず頭に浮かぶ.そしてその関連で,当時の医療事情なども断片的に想い出されるものである.
我々が卒業したころは現在とは違いインターン制度があった.ちょうどそのころ,麻疹ワクチンが開発され,それが現在の麻疹生ワクチンへと発展したものであるが,その後,阪大の微研から麻疹ワクチンの臨床研究を依頼されたとのことで,小児科教室とウイルス研究室の共同で,ワクチンの接種,抗体価の測定などを行った.自分自身はウイルス関係の仕事をしたわけではなかったが,たまたま動員されてお手伝しただけだったが.
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