新 病院建築・56 座談会
武蔵野赤十字病院の建築をめぐって
辻野 純徳
1
,
小滝 一正
2
,
河口 豊
3
,
伊藤 誠
4
1(株)浦辺建築事務所
2横浜国立大学工学部建築学科
3厚生省・病院管理研究所
4千葉大学工学部建築学科
pp.713-720
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207816
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伊藤(司会) 武蔵野赤十字病院の大規模な改築工事が最近終わったということで,方々から注目されているようですが,きょうはその設計をめぐっていろいろお話を伺いたいと思います.
この病院は,昭和24年にわずか50床で出発したのですが,初代院長の神崎三益先生はじめ皆様方の大変な努力で今日の大病院までに育て上げられたのです.特にわれわれ病院建築にかかわるものにとっては非常になじみの深い病院でして,例えば,吉武泰水先生が昭和26年にこの武蔵野赤十字病院と国立東京第一病院において病棟看護婦のタイムスタディをやっておられます.病院建築の研究における初めての調査でした.そういう意味で,ここは戦後の病院建築研究発祥の病院であるといってもいいと思います.それは,新しい病院管理の実践者であった神崎三益先生がここの院長をしておられたということと,国立東京第一病院のほうは,守屋博先生が管理部長をしておられたということで,病院の建築計画と新しい病院管理とが両者相携えてスタートすることになったのです.正に記念すべき病院です.そういうことで,その後も私どもはここで何度も調査をさせていただいたり,あるいは病院の方々にいろいろお教えをいただいて,今日にいたっております.
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