特集 医療の変革に対応する医療関係事務
医療の進歩に適応した医療関係事務システム
紀伊國 献三
1
1筑波大学社会医学系
pp.569-571
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207776
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医療費の急激な高騰を背景として,医療問題の議論ははなはだ多い.この医療費の高騰には様々な理由が考えられる.すなわち,人口の老齢化や健康保険の給付率の向上などによる受療率の向上などが挙げられる.しかし,様々な分析の結果では,医療費の高騰の最大の理由はむしろ,いわゆる医療の進歩によるものであることが確認されている.つまり,様々な医療技術の進歩とその適用が医療費の高騰に最も影響を及ぼしているというのである.
もちろん,果たして医療関係諸技術の進歩をそのまますべて患者に適用しなければならないかどうかについては,別個の判断を必要とするであろうし,また,果たして現在の技術すべてが真の意味で患者のケアの向上に効果的であったか,あるいはあるかどうかについても別個の評価がなされなければならない.しかし,これらは本稿の主眼ではないので別の機会にゆずりたい.いずれにしても,医療技術の急速な進歩が現在の医療の特徴であると言うことはできる.そしてこの進歩が医療費の高騰のみならず様々な影響を及ぼしているのである.
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