事務長訪問
鴨川市立長狭国保病院 室田章隆事務長
本誌編集室
pp.526
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207768
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千葉市から特急で2時間,鴨川市は外房総観光の中心地で,人口3万2千の市内には400床の総合病院を始めとする7つの民間病院(計1,200床)がてい立し,高い病床率を保持するが,市街から9キロ内陸に入った長狭国保病院が唯一の公的病院である.
病床は伝染・結核を合せ計70.内・外・小・歯を診療科とし,院長以下4医師が常勤.非常勤として千葉市の大学病院と地元医師の協力を得ている.事務長として15年間,室田さん最大の悩みは常に医師の確保,特に内科常勤医を今も求め続けている.2,3年交代でも,と大学医局に懇請しても,高度に分化された教育で育った若手医師の志向とは相容れ難く,偶に白砂青松のイメージを抱いて訪れる志望者も,田圃に囲まれた山間の風景にすぐ引返されたことも….千葉大2外科出身で赴任10年余の橋詰定明院長自らも,「未だにこれが病院とは思えず,かつての"養生所"とでも言ったほうがぴったりする」と公言される.しかし,緑豊かな中の鉄筋3階建の院内は,病室をはじめどの部署もゆったりした広さを持ち,よく行届いた清潔さが,まず心良い印象を与えてくれる.地元老人は日常会話に「ホケンジョにかかった」と言う.「そのことは,病院の生い立ちと性格を言い得て妙である.
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