事務長訪問
東京都・佐々病院 千葉諭事務長
本誌編集室
pp.438
発行日 1982年5月1日
Published Date 1982/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207745
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「民間の50〜150床規模の病院の事務長というのは公的あるいは大病院の事務長に比べて身分の確立がなく,待遇が悪い.何でも屋として使われる反面,一つ失敗すると辞表を書かなければならないところにいつも立たされている.去年の医療費改定以来,経営が苦しくなって,最近,随分長い間働いていた事務長が辞めたという話をよく聞きますよ.ただし,ここでいう事務長とは,いわゆる院長と姻戚関係のないフリーな事務長のことで,フリーな事務長は10年以上勤続が3%と言われるとおり,病院が使い捨てするんですね」と人材がいないと言われるけれど,病院の側に能力を期待するだけで,育てようという雰囲気がないことを憂う千葉さんは,佐々病院勤続20年という稀少な存在で,かつ,私立病院事務長協会の世話役を7年も務めてきた.
「長い間頑張っている事務長は精神的にも肉体的にもとてもタフです」とのことだが,千葉さんもその点には大分自信があるらしい.しかし,佐々病院に入ったのは,大学を出て結核に罹り3年ばかり療養した後,楽だと思って選んだというが,さて,入ってみると,病院とは大変な職場で,普通の5割増しの仕事をしなければならなかった.37年に勤めて,45年に事務長になるまでの8年間,「事務の仕事はもちろんボイラー,電気,衛生管理,防火管理はライセンスを取りながらやった.
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