小特集 衛生検査所の実情と課題
衛生検査所選択と利用の経験
杉山 育男
1
,
松永 清輝
2
,
浦田 伸一
3
,
平尾 紘一
3
,
大林 弘幸
4
,
片平 宏
5
,
横田 文吉
,
平沢 政人
6
1国立相模原病院
2大阪鉄道病院
3衣笠診療所
4静岡県立中央病院臨床検査科
5神奈川県立成人病センター検査科
6昭和大学病院臨床検査部
pp.1027-1038
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207621
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過大な値引き業者の除外は賢明の策
1.衛生検査所利用の要因
衛生検査所の利用(以下外注)は,情報化医療の落とし子であると言っても過言ではないと思っている.すなわち,医学の専門化が進むにつれて専門医療が行われ,これに伴い各種の検査が急激に増加し,特殊検査と呼ばれる検査が数多く行われるようになり,自施設の検査部(科,室)内だけでは,すべての検査を行うことができなくなって,①検体数が少なくて採算が合わない検査(以下不採算検査),②特殊設備を必要とする検査(以下要設備検査),③検査量に見合う検査従事者がいない(以下手不足)ために外注するようになったと考えたい.
国立病院を対象とした肝機能検査に関する実態調査を行った中で,外注について調査したが,その結果は表1のとおりで,日常一般に行われている検査項目は,外注が増えれば実施率の低下傾向を示し,要設備検査のうちHBs抗原検査(RIA)は外注率57%に対し実施率が21%あり,不実施率は9%であった.また試薬入手困難なHBe抗原・抗体検査は,外注率77%に対し実施率は7%とはなはだ低率を示していた.ALP, LDHアイソザイムの外注率はそれぞれ66%,58%で比較的高いが,実施率も22%,36%で約1/4〜1/3の施設で行っていることが分かった.
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