病院職員のための医学知識
凍結手術の現況
蔵本 新太郎
1
1東邦大学第一外科
pp.606-607
発行日 1981年7月1日
Published Date 1981/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207515
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凍結手術とはどのような原理に基づく,どのような方法ですか.それはいつごろから行われていますか.
凍結手術とは生体の一部を局所的に0℃以下に冷却させて組織の凍結を図り,それによって起こる組織変化を疾患の治療に利用するものである.cryo-surgeryとかcryo-the-rapyとか呼ばれているが,cryoとはギリシャ語のKyosから来て,"凍る"という意味である.組織を凍結させると様々な生体反応が生じるが,次の反応が凍結手術に応用される.①凍結付着,②凍結固形化,③凍結炎症,④凍結壊死の4つである.この中でいちばん広く利用されるのが凍結壊死の現象である.この現象は一般的にも,遭難事故などでよく知られていることである.壊死を生ずる機序は完全には解明されていないが,次のことが現在考えられている.
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