特集 病院増改築の実例
斜面を削って平坦化から—鹿児島共済会南風病院
桜井 之一
1
1社団法人鹿児島共済会南風病院
pp.138-140
発行日 1981年2月1日
Published Date 1981/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207383
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当院は昭和29年開設して以来毎年発展し,鹿児島県下でも医療技術の優れた病院の一つとして,市内はもとより県内外の広域的な医療機関として地域医療に貢献している.一般に病院建設の多くがそうであるように当院も開設後,周囲人口の増加,医療技術の進歩等により増築,改築また模様替え等を繰り返して面積を拡大してきた.これらの建物が敷地全体に拡がり(図1),建物の老朽化も限度に達した.殊に防災上の危険を思い,また病院機能上著しく支障をきたす状態になっていた.
このような状況を打開して病院本来の機能を回復すべく鉄筋にして,改築を行うために今回の計画を決定したのである.設計は大阪市の昭和設計に依頼した.最も困難な点は入院外来共に運営しながらの工事であることで,設計者といろいろ談合した.なお敷地が斜面であり一般道路から約16メートルの台地である.その余分の土地を削り取らねばならない.これに最低2か月を要するであろうという結論に達した.
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