特集 大地震と病院―宮城県沖地震を中心に
宮城県沖地震における救急医療
安田 恒人
1
1安田病院
pp.287-292
発行日 1979年4月1日
Published Date 1979/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206826
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昭和53年6月12日,何の予報もなく突然に襲ったマグニチュード7.6という地震は宮城県内各地に激甚な被害を与えた.建造物,道路橋梁,交通機関や物品,商品などほとんどあらゆるものに被害を与えた.これらに関する報道はなされたが,最も貴重な人身に対する被害については,27名の死亡者が確認されたのみで,負傷者に関してはいずれも過少で,かつ不正確な把握しかなされず,またその処理,すなわち当時の救急活動に関しては,報道の対象にすらならなかった.
宮城県医師会は地震発生後1週間のうちに県下の医療施設に対して実態調査を開始し,ここに提示する調査結果を得たので,地域医療の一環であり,かつ極めて特異な汎発的大量被災の救急医療の貴重な経験として,ここに発表することとした.一部はその後行われた仙台帝医師会の調査および県当局が行った抽出アンケート調査の結果を引用した.
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