精神医療の模索・14 座談会
精神科医に求められるもの—その倫理性をめぐって(下)
長野 敬
1
,
高宮 澄男
2
,
吉松 和哉
3
,
仙波 恒雄
4
1自治医科大学
2真愛会高宮病院
3東京都精神医学総合研究所
4同和会千葉病院
pp.167-172
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206791
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
医師の自律性と自己規制
仙波疾病概念,特に分裂病にしても精神科医のコンセンサスを得ることは難しい状況ですが,精神科医の立場からそんなに全部クリアカットに一致できなくても,ある程度の倫理性とか患者の扱い方が決まりそうな気がするんです.それが,ある先生は非常に遺伝的な考えで,もう不治の病であるという考えに固執される人の管理する病院なり患者の処遇というのは,そうでない立場をとる所とは非常に違うんですね.
吉松その点,現在の段階ではいろいろな立場があるのだということに対し,寛容であるということが臨床医としてのひとつの倫理じゃないかと思うのです.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.