海外の医療・2
プライマリヘルスケアの実践—パプア・ニューギニアの医療
石野 誠
1
1厚生省医務局総務課
pp.142-144
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206780
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一般事情
世界地図を広げて見れば,オーストラリア大陸と赤道の間に恐竜が横たわっているようにみえる島がある.この島がニューギニア島である.パプア・ニューギニアは,このニューギニア島の東半分と,ビスマルク諸島,ソロモン諸島の北端のブーゲンビル島などの島々からなる新興独立国である.マスメディアを通じて知るパプア・ニューギニアは,文明から取残された未開の地という印象を受けるかもしれないが,舗装された道を車を走らせながら美しい海岸線を眺めている限りでは,近代文明の影響を受けない未開の地のイメージを想像することは不可能に近い.
この国には林業や漁業の分野に日本企業が進出しており,また街には日本製の自動車も数多く見受けられるなど,経済的な面で我が国との関係は次第に密接になりつつある.実際,鹿児島からこの国の首都であるポートモレスビーまで直行便があり,およそ6時間で飛べる近さにある.
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