院内管理のレベル・アップ 滅菌・消毒
感染管理の理論と実際・5
滅菌・消毒の実際(1)
川北 祐幸
1
1順天堂大学病院管理学
pp.934-935
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206707
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一般病棟における滅菌・消毒
一般病棟といっても,構造的なことはもちろんのこと,入室患者の種類や,重軽症度によってまちまちであるが,特殊な感染症を扱っていない病棟という意味で述べることにする.
したがって,一般病棟で,主として問題になる菌種は,黄色ブドウ球菌,白色ブドウ球菌,緑膿菌,クレブジエラ,大腸菌,カンジダ,アスペルギルスのほか,水痘,風疹,HB肝炎ウイルス類である.細菌類は常在菌に近いもので,健康人に対してはほとんど病原性を示さないものであるが,一般状態の弱っている患者に対しては,菌量が多いと問題になる.ウイルス類は,小児病棟で感染の拡がりを起すことがあるが,入院時に注意をする方法が最もよい.最初の患者が発見されたときは,感染病棟がない場合には,ただちに大人の病棟に分散隔離し,以後入院させる患者について,既往者のみに限定する.流行している間は,未感染者は潜伏期にあると考え,急性症以外は,入院を延期する.
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