マスターしよう基本操作
消毒と滅菌
三輪谷 俊夫
1
1大阪大学微生物病研究所
pp.641-648
発行日 1978年8月1日
Published Date 1978/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201676
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臨床微生物検査の基本技術は消毒・滅菌と無菌操作の理論のみならず,完璧なテクニックを十分身につけて必要に応じ反射的に実行できるよう平素から訓練しなければならない.抗生物質が今日ほど出回る以前には,外科医は手洗いの基本技術を修得するため,手にメチレンブルーを塗り,十分に乾燥させた後,石けんとブラシで色素が落ちるまで手洗いをさせて手洗いのカンを訓練したと聞く."消毒とは感染防止のために病原菌を完全に殺菌除去することであり,滅菌とは病原・非病原の区別なくすべての微生物を殺菌除去することである"と一口に言ってしまえば簡単であるが,市販されている消毒剤,消毒・滅菌器械の効能書きをそのまま鵜呑みに信じることは非常に危険である.何でもオートクレープの中に入れさえすれば滅菌できるのであろうか?このような考え方は誤りである.また,菌の種類や菌株によって消毒剤の殺菌濃度が異なることを銘記すべきである.
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