特集 医療施設間連携の芽生え
医療機関相互の連携の重要性—病院の立場から
宇尾野 公義
1
1東京都立府中病院
pp.805-808
発行日 1978年10月1日
Published Date 1978/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206660
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わが国には種々の医療機関すなわち大学付属病院,総合病院,単科診療病院,中小個人病院,診療所のほか,慢性疾患療養所,温泉病院,リハビリテーション病院,地域保健所,健康相談センター,養護施設,身障者通園施設,同医療福祉センター,老人福祉施設などおよそ医療に関連した施設がたくさんあり,ある特殊な都市ないし地域にやや偏在の嫌いもあるが,近年ますます増加の一途をたどっているのはまことに結構である.
しかるにこれらの諸施設が相互に真に有機的連携を保って活用され,疾病対策,健康増進に円滑な機能を果しているかというと,答はむしろ"no"といわざるをえない場合がえてして多い.たとえばある患者が心身の異和を感じた場合にその疾病の診断,治療について直ちに正しい判断がなされ,その経過,予後に応じて,真に一環した妥当な診療・療養・福祉指導が行われているであろうか?本特集の代表機関にみられるごとくそれはごく限られた特殊の場合と考えて差支えない.
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