特集 助産所と連携する地域周産期医療体制の構築に向けて
【兵庫県神戸市における助産所と医療機関の連携】
助産所の立場から医療機関との連携をいかに実現してきたか
毛利 多恵子
1
1毛利助産所
pp.286-293
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134781680790040286
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分娩を取り扱う助産所にとって医療機関との連携は必須である。なぜなら正常に経過していてもある確率で医療が必要な状況が起こるからである。日本助産師会が全国の助産所の分娩データを集積し分析を行っている「全国助産所分娩基本データシステム」によると,2023年度の転院・搬送率は,妊娠期10.3%,分娩産褥期3.8%,新生児期2.8%であった1)。また日本の助産師には,検査や薬剤の処方権がなく,正常経過の妊産婦に必要な検査を実施する場合や,臨時応急の対応として必要な薬剤を用意しておく場合にも,医師による指示が必要となる。この重要な医療連携を兵庫県助産師会の助産所部会長として,特に阪神地域でどのように工夫してきたか述べたいと思う。

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