院内管理のレベル・アップ 医療社会事業(MSW)
病院におけるMSWの役割・5
医療ソーシャルワークの中心機能—1.社会資源の活用をめぐって
上野 博子
1
1武蔵野赤十字病院医療社会事業部
pp.748-749
発行日 1978年9月1日
Published Date 1978/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206642
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病院内において,医療ソーシャルワーク(MSW)の業務および機能が,どの程度正しく理解されているかというと,必ずしも十分とはいい難い状況がある.それは,MSWの業務の中心的な機能が,対象者(患者あるいは家族)との相談のプロセスにおける両者のかかわりにあり,そのなかでの質的な側面において発揮される性質のものなので,外側からはわかりにくいということにもよる.
たとえば,医療費の問題の相談についていえば,結果として医療扶助の適用を受けたという場合,扶助の適用という目に見える部分は,大変具体的でわかりやすい.しかし,相談のプロセス(いかなるかかわりの中で,対象者が主体的に自らの問題解決のための方法を選択し,困難を克服してゆくか,という内的側面)については,外側からは具体的に見えず,したがって理解しにくい.
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