最近の判例からみた医療事故・7
電気手術器のケーブル誤接続による熱傷事故と執刀医・看護婦の責任分担
稲垣 喬
1
1大阪法務局訟務部
pp.576-577
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206594
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判例
医師が看護婦を介助として行う手術等の過程で看護婦の過誤により異常事態が発生した場合,医師・看護婦の刑事責任の成否については,いわゆるチーム医療における医師の看護婦に対する信頼等をめぐり,その妥当な規律がとくに論議の対象とされている.本件は,看護婦が,電気手術器のケーブルを交互誤接続したため,併用の心電計回路との関係で患者に流れる電流回路に異常を生じ,これに熱傷を負わせた事案について,右看護婦の刑事責任を肯定し,執刀医の刑事責任を否定した事例である(第一審・札幌地判昭49・6・29判例タイムズ311-117,控訴審・札幌高判昭51・3・18判例タイムズ336-172).
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