院内管理のレベル・アップ 手術
安全,確実な手術のために・5
滅菌技法と感染防止(2)
古橋 正吉
1
,
上田 伊佐雄
1
1東京医科歯科大学附属病院手術部
pp.574-575
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206593
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前回に述べた滅菌業務の流れと同時に重要な事項は滅菌業務の質的向上であろう.単に釜にいれれば滅菌されるものと考えている向きがあるとすれば,大変な誤解である.メーカーは装置の性能は保証しても,滅菌効果の確認はユーザー自身がしなければならない.滅菌用包材や1回の滅菌器容量がそれぞれ異なり,さらに滅菌槽の内部は蒸気湿度,蒸気温度等が不均等分布をしている事実があるからである.滅菌温度は付属計器だけでは被滅菌物の中心温度は測定できない.このために遠隔温度測定器や検定済み留点温度計を使用する必要がある.
酸化エチレンガス(Et-O)滅菌では滅菌槽から直接ガスを一部とり出し,ガスクロマトグラフィや化学検知器を用い測定する.ただしこれらを調べるには,それなりの知識や器具を用意する必要がある.また,温度,湿度の検知法と共に重要な事項は滅菌効果の検知・確認法である.この目的には化学的検知法,生物学的確認法がある.
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