特集 病院組織と看護の専門化
専門看護婦の教育と活用
大谷 昌美
1
1神奈川県立看護教育大学校看護教育部
pp.548-551
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206585
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保健婦助産婦看護婦法制定から30年,わが国の看護は内部に多くの問題と矛盾を抱えながらも,戦前とは比較にならないくらい改善され発展してきた.だが一歩掘り下げその改善と発展を見るとき,必ずしも看護婦自らの努力や力が積極的に影響したとはいえない面が多く,むしろ看護を取り巻く社会の変化や,医療の高度化の中で遅ればせながらついてきた,あるいは結果的にそうなった,といった面の多いことに気付く.
現在,医療全体の中で果たす看護婦の役割の広さと,重要さとを否定する人は先ず医療関係者の中にはいないであろう.だが,われわれが,看護機能についてその主体性とか,独自性とか科学性を言い出すと,必ずクレームがつき,異論が飛び出し,あげくの果てによい看護婦とは,医師に従順で患者にやさしくあればよいのだとの忠告を受ける.
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