特集 第12回日本病院学会
専門集会報告
病院公衆衛生活動専門集会
病院内汚染防止の問題
永沢 滋
1
1日本大学医学部
pp.71-75
発行日 1962年10月1日
Published Date 1962/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201995
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座長(永沢)私どもの専門集会に与えられましたテーマは,病院の公衆衛生活動の病院内汚染の問題であります。この病院の公衆衛生活動の問題につきましては,先ほど東先生初め皆さんからもいろいろ御意見が出たようでございますが,かつて第10回の国際病院総会におきましても,この問題が強く取り上げられております。また昨年吉田幸雄氏らの詳細な研究発表もございまして,今後ますます重要視されつつあるところの問題であろうと思います。一体この病院における公衆衛生活動とはいかなる活動をさすかという問題は,いろいろ議論もあることと思いますけれども,日常の診療活動の部分からあるいは地域集団に対する予防活動,あるいは職員教育あるいは研究というところまで広範な考えが近代的な公衆衛生活動といわれておるのであります。ところが病院自体を考えてみますと,いろいろな伝染性疾患の集合の場でもあり,また環境衛生的にも大きな問題のあるところでございますで,このような病院におきまして,もし患者間の交叉感染とか,あるいは環境衛生的に発生する疾病があったならば,病院管理者としてあるいはまた病院の職員全体として大きな責任があるのではないかというふうに考えます。しかるにこれらの問題の研究は案外等閑にふせられておる傾向がございましてい,わゆる古くて新しい問題のように考えられるのでございます。
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