院内管理のレベル・アップ 廃棄物処理
病院廃棄物の問題点・1
廃棄物の種類
小田桐 信子
1
1慶応義塾大学病院
pp.308-309
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206507
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ごみ問題は.それが公害にまでつながる問題としてしばしばマスコミを賑わし,大きな社会問題になっている.経済の高度成長,科学の発展は私達の生活環境に急激な進歩,変化をもたらし,ごみも必然的に年々増大する傾向にある.病院においても例外でなく,さらに加えて医療の高度化,人手不足解消の手段および合理化等のためディスポの使用が普及すると共に,ごみの量が飛躍的に増えたばかりでなく,その種類もきわめて多種多様になった.病院(特に総合病院)のごみほど,種類,量が多く,複雑,不潔で危険なものはない.すなわち,病院という特殊な場所のごみであり,廃棄物であるので,その処理いかんによっては院内感染,公害の源にもなりかねないので,最近ではどの病院でもこのごみ処理問題を抱えて頭を悩ましている.その上病院には医療法上「汚物処理施設」が義務づけられており,さらに「廃棄物の処理および清掃に関する法律」により,病院のごみも事業系廃棄物として病院自らの責任により処理することが原則とされているので,今や廃棄物の問題は,病院の運営,管理上の重要な課題の一つとして,病院における衛生環境保全のため,また病院の機能性を維持,増進させるため,適切かつ合理的な処理方法の再検討と,問題解決を迫られているのである.
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