グラフ
アルコール症基幹施設として—期待される国立療養所久里浜病院
pp.9-14
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206317
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現在わが国のアルコール症推定患者は150-210万と言われているが,専門病床,専門スタッフとも非常に少なく,他の先進諸国に比べ,その立遅れは著しい.52年度からは,国も精神医療の大きな柱として酒害対策に取組む方針であり,その中枢として最も期待されているのが国立療養所久里浜病院である.
国療久里浜病院は,戦前は海軍病院,戦後は一時期結核を主とし,その後精神病を中心とした総合病院という歴史をもっが,病院のアルコール症との出会いは,昭和38年,專門病棟(37床)の開設に始まる.それ以後,一般的に"久里浜方式"と呼ばれる開放病棟方式で集団精神療法を用いる独自の治療法を生み出し,さらに本年5月には特殊診療棟(15床)を開設して,全国唯一のアルコール症基幹施設としてアルコール症の診療・研究に携わるとともに医療関係者に対する教育・研修に乗り出そうとしている.
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