建築と設備 第4回
国立基幹病院3題
辻 吉隆
1
,
小塚 良雄
1
,
冨澤 展一
1
,
青島 弾
1
Yoshitaka TSUJI
1
,
Yoshio KOZUKA
1
,
Nobukazu TOMIZAWA
1
,
Hazumu AOSHIMA
1
1厚生省保健医療局整備課
pp.693-699
発行日 1986年8月1日
Published Date 1986/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208897
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国立医療施設のあり方
終戦直後全国が焼土化したため,医療施設は著しく不足し,厚生省は日本医療団の施設や軍事医療施設を転換し,国の医療施設として開設,量的確保に努めた.これが,現在の国立病院・療養所の始まりである.昭和26年の時点では全国病床数の約30%を国立病院・療養所が占め,地域医療の確保,結核の撲滅等に大きく貢献した.
当時の施設は,旧陸海軍の兵舎や戦時中の臨時構築物が大半であった.そこで昭和20年代の後半より,全国主要都市の10施設を選び"基幹施設"として,鉄筋コンクリート造による施設不燃化整備に着手した.施設規模は40m2/床前後を有し,当時としては大規模な施設であり,他の医療機関の規模拡充のために寄与したところは大きいと考えられる.
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