院内管理のレベル・アップ 診療
医療業務の標準化・1
医療業務の標準化とは何か(1)
榊田 博
1
1京都産業大学
pp.50-51
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206277
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医療業務の標準化はなぜ遅れているのか
医師は医療チームにおける中心的役割を果たす責務に任ぜられる.診療計画の設案,診療業務の処理にさいして,医師も組織の一員として組織体の管理のもとにおかれる.したがって診療業務も目的に応じて情報を集めて対処するよう看護部門その他とのコミュニケーションを密にして,その業務処理過程を合理化すべきである.
病院ではつとに,看護部門において包括医療のうちに位置する組織と,24時間を通じた勤務体制のもとに,業務の標準化,組織化につとめ,患者の状況に応じて段階的に看護する管理体制を確立している.これに反して医師の診療は,医師個人の判断や裁量に任されていて,医療の近代化に即応しない面がある事実を否定できない1).むしろ医療業務は,その都度,個々の状況に対応して判断を必要とするので,標準化の原理を持ち込むのは不適当であるとの考えが支配している.
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